2014年1月3日金曜日

フランスの教会(6) St-Benigne, Dijon


ディジョンは14~15世紀に栄えたブルゴーニュ公国の首都です。当時建てられた教会や貴族の館が美しい街でした。




私たちが訪れたのが日曜日だったためか、街は閑散としていました。ほどんどのお店が閉まっており、開いていたのは美術館。



 美術館の後に訪れたのは、St-Benigne大聖堂。

 
 
大聖堂のドアを開けると、パイプオルガンが大きな音で響いていました。パイプオルガンが有名な教会らしく、日本のオルガン奏者も多く訪れるそうです。
 
地下のクリプトも美しく、またまた長居したくなる教会でした。

 


パイプオルガンにまつわる思い出があります。

地方から東京に遊びに来ていた友人と会う約束をしていた日のことです。特に何もしていないのに、出掛けに姿見が倒れて、鏡が粉々に割れてしまう、ということがありました。家を出る1分前にそんなことになり、できればそのままにして、帰宅してから片付けたかったのですが、当時犬と一緒に暮らしていたので、そうもいきません。犬が破片を踏まないよう、慌てて避難させ、割れた鏡を片付けました。めったに会えない友人を不慣れな場所で待たせることになり、なんでこんな時に~、と思いながら大急ぎで片付け、待ち合わせ場所に向かいました。遅刻を詫びる私に友人は「遅れてきてくれてありがとう!」と。聞くと、待ち合わせ場所の近くでパイプオルガンの演奏があり、私が遅れた時間の内にちょうど一曲聴きに行くことができた、それがとても良かった、とのこと。友人を待たせたくはなかったし、姿見が割れたのも残念でしたが、その結果、友人がいい時間を持つことができた、という出来事でした。

ある出来事の一コマだけを取り上げると、残念だったり、イライラの理由になったりするようなことでも、その次のコマと繋げると、楽しいことの起点となっていた、ということがあります。

ある日、駅のキオスクで買い物をしようとしたときのことです。ガムやアメといった、ごく一般的な物を買おうとしたのですが、店員さんが「値段が分からない」と、ファイルを出して調べ始めたのです。正確な時間は分かりませんが、かなり長い間ファイルのページをめくっていました。素早さが売りのキオスクなのにどうしちゃったんだろう、と思いながら、急いでいたわけではなかったので、値段を調べてもらって購入しました。キオスクを離れて駅の構内を歩いていると、長い間会っていなかった友人が向こうから歩いてきます。偶然の再会を喜び合いながら、キオスクでいつものようにすんなり買い物が済んでいたら、タイミングがずれて、友人とは会わなかったかも、と思いました。

こういったことがそれから数回ありました。それ以来、どこかで思いがけず待たされたり、あまり嬉しくないことがあったりしたときは、その後に「偶然」と思える何かがやって来るのかも、と楽しみにするようになりました。友人が聴けたパイプオルガンのコンサートのように、楽しいことは私自身が体験するとは限らないので、私の知らないところで起きているかもしれません。

会うべき人とは必ずどこかで会うので、一度のタイミングのずれは問題ではありません。また、何かの機会も、一度逃したとしても、何度もやってきます。そのお膳立てのために宇宙がするタイミング調整、とても興味深いです。



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